「しつけ」という言葉を辞書で引いてみますと、「礼儀作法を教えて身に着けさせること」とあります。が、乳幼児期においてのしつけとは、本当はどういうことなのでしょうか?
「健康な子どもに」「思いやりのある子どもに」「挨拶のできる子どもに」「お話しをよく聞けるこどもに」・・・いろいろな子育ての目標があるかと思います。
お母さん、お父さんは、どんな子どもに育ってほしいですか?しつけとは、どんな子どもに育ってほしいかを考えることからがスタートです。
「挨拶ができる子にしたい。」と思うのであれば、家庭の中で、「おはよう」「おやすみ」日常の挨拶を笑顔でお母さんお父さんが子どもの目をみて挨拶してみてください。乳幼児期の子どもは周りでおこり毎日繰り返されることを良いものとして自然に身に着けていきます。
しつけとは、叱ることではありません。大きな声で制したり子どもの悪いところを指摘したりする大人のふるまいは、乳児期のこどもにはただ大きな声で「だめ」って言われたから。怖い顔したからやめよう。という気持ちになるだけです。なぜダメなのか理解できる時期になるまでには、お父さんおかあさんの優しいまなざし、あたたかい抱っこが一番です。。
この時期のしつけとは、力づくで教えて身に着けさせることではなく、大人がモデルになり生活の中でよい習慣を作っていくことです。
お母さんお父さんのあたたかいまなざし、やさしい言葉、やわらかい感触、お父さんお母さんの愛情を感じ心と心の絆を通じ、子どもたちは成長していきます。この絆が、基本的信頼感という、コミュニケーションの力の基本ともなっていきます。0歳児のしつけは、親の伝えたいことを、焦らず、ゆるやかに、やさしい気分でみせていくこと。
が、毎日の子育ての中で、イライラ、気になることもあるでしょう。が、この時期のしつけは大好きなお母さん、お父さんとの信頼関係をつけることが大切。「ダメ」「いけません」の言葉ではなく「やめようね」とやさしく声かけてみてください。繰り返し繰り返し。根気強く。この根気強いしつけの振る舞いが、やがて、子どもたちがなぜこれをしてはいけないのか、今何をする時なのかを自分でわかる力(セルフコントロール)になります。子どもの発達に応じて「しつけ」を考えていくことが、大切です。