あそびはぼくらの自己実現③

弓削 任代(NPO法人 こどもNPOセンターいずみっ子 理事長)

更新:2016-12-22

こどものホンキがおもしろい!

「ぼくたちのお店に来て下さい!」

おもしろ体験型市場「こども市」に出店の彼らが、思い入れた自分たちの店に繁盛を引き寄せようと、全身を声にして呼びかける。
小学校高学年になれば、一生懸命なこと、ムキになることに距離を置く時代に、安心してムキになれる場所がさて、どう作用していくだろうか。
子どもが運営する「こども市」では、こども銀行で発行される限定通貨が流通する。この限定通貨は終了後、ほんもののお金に換金される。ほんもののお金!に子どもたちは「自ずと」真剣になる。
「自ずと」。子どもの主体性を牽引するしかけは、説得→理解の工程とは無縁。おもしろい!が発動を呼ぶ。

2月の「こども市出店募集」の告知から、いやいやその前から練りに練った自分たちのお店を準備する。それぞれの子ども集団にドラマがあることだろう。
一般募集の参加者に加え、いずみっ子の小学校高学年のグループ「チビティーン」がある。この活動は、主に大学生スタッフが子どもたちを見守る。4月の日曜日、何組かのグループに分かれて出店準備が行われる。どんな店にするのか、いくらにするのか、看板をどうするのか、役割はどうするのか。作業と話し合いが都度行われ、子どもたちは自分の考えを表明し、他者の考えに耳を傾け、作業を分かち合い人との関わりに試行錯誤を重ね、様々な手段で1つのものを創り出す(1つを選び取る)経験を積む。共に在る大学生・青年たちは一方的にサービスを提供する子ども支援とは全く異なり、この騒動にまみれ、もまれ、客観と主観の両方をいったりきたりしながら、これも試行錯誤を重ねる。

又1つに、3才から小3までの親子の交流体験グループ「チビ・びーの」がある。就園を迎えると同時に幼児期につながった共同育児の場を一度手放す環境にある親子も、再び子育ての共有の場を得て、子どもたちは開かれたコミュニティで成長する。
こども市は、子ども主体の体験型市場であり、子ども主体におとなが着眼することを提案する場でもある。実際、スタッフのみならず出店者の保護者からも、当日を迎えるドラマに、その効用を実感するとの声がきかれ、当日の来場者からも「おもしろさを創り出すおもしろさってこんなに子どもを生き生きとさせるんですね」等の気づきを頂戴する。

遊び方も遊び道具も全て用意されたおまつりや行楽の誕生が、日常の中の子どものあそびが創造にあふれた時代におけるものであったとすれば、日常の環境が変化している現代の子どもたちへの提案は、本来あたり前のはずの子どもたちが生み出すあそびの創出!
その実現に楽しみながら取り組むおとな、子ども大募集。
ぜひご参加ください。

 

写真は2016年5月の時の様子です
写真は2016年5月の時の様子です
写真は2016年5月の時の様子です
写真は2016年5月の時の様子です

2017年の「こども市」は、5月14日(日)に開催予定。

出店募集は2月から始まります! みなさんの参加をお待ちしています。

※ 詳細は、いずみっ子までお問合せください。

執筆者

  • 弓削 任代
  • NPO法人 こどもNPOセンターいずみっ子 理事長
  • 武庫川女子大学文学部卒
    特定非営利活動法人 こどもNPOセンターいずみっ子理事長
    地域子育て支援拠点事業いずみ・エンゼルハウス・府中設立
    和泉市親学習リーダー協議会代表
    和泉市こども子育て会議委員
    子どもと本を読む会青い鳥メンバー
  • ふぁみなび:NPO法人 こどもNPOセンターいずみっ子紹介ページ