叱る、と怒るの違いって?

南方 泉(NPO法人ネットワークすこやか 事務局長)

更新:2016-07-15

最近、街で見かける子ども連れのママさんが、2歳くらいの子どもに向かって大きな声で注意している光景を目にします。
そんなとき横で聞いていると、ママさんがイライラしてお子さんに向けて感情そのままで怒っています。人前で子どもに手を挙げてしまうような場面も見かけたことが有ります。
そんな時いつも思うのは、感情のまま怒らないで言い聞かせてあげてほしいな、という気持ちになるのです。
私自身も感情のまま子どもを怒った経験があるからこそ、出来る限り穏やかに接してほしいものです。

叱ると、怒る・・・似ているようで実は別のもの

「叱ると怒る」どこが違うのか?実際に子育てをしているママさんたちの課題となっているのではないかと思うんです。
私自身も、怒鳴ったり怒ったりたびたびしていました。

例えば、1歳~2歳の頃、自分で食べたいと思って手づかみで食べようとするけど、うまく食べられず床に落ちてしまう、床に落とされて怒るママ。「もう、なんでこぼすんよ!」これは、汚されてしまったという事実を受けとめられないんですよね。
いつも、綺麗にしている床に食べ物がこぼれる・・実際に掃除するのはママなのですから、汚されたくないから結局食べさせてしまう、悪循環・・・。自分でやりたい我が子。

さて、どうしようか、しかし、何でも大人が手助けをしてしまっては自分でやりたいと思う子どもの気持ち(自立心)を打ち消してしまうのではないかと思い、私は思い切って子どもが大好きだった納豆をパックのまま、手掴みで食べさせてみました。娘は満面の笑顔!!手も口の周りもベタベタなのに・・思わず私も大笑い。イライラしながら食べさせるよりも、お互いが楽しく食事ができるのであれば自分でやりたいと思う気持ちを大切にしてあげたいと思い、叱っていた私反省しています。その時の掃除は大変でしたが、これも私の大切な思い出となっています。

ここで、叱るときのポイント!!

誕生~9か月
 叱っても無理です。危険なことから遠ざけるなど、叱らなくても良い状況を作りましょう。
●1歳~2歳
 親の言葉より表情に敏感な時期なので分かりやすいリアクションで伝えましょう。
●3歳~4歳
 見習う時期なので親が手本を示しましょう。親がちゃんと出来ていないと子どもに指摘されてしまいます。
●5歳~6歳
 原因と結果を理解するので、ルールとして伝えましょう。他の子と比較すると自尊心が傷つけられる時期なので、その子のペースを尊重しましょう。

 

子ども達は、みんな「人間」として生まれてきますが、お腹の中の赤ちゃんは、まだ何も分からない状態なので、「していいこと」「してはいけないこと」の区別を教えることが叱ることなのではないでしょうか。つまり、周りの大人が社会で生きていく為のルールを一つ一つ丁寧に教えていく事で、穏やかな毎日が過ごせるかもしれないですね。

少しでもママさんが笑顔でいられるような毎日でありますように・・・

 

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