母乳は足りてるのかしら?

渡邊 和香(NPO法人 女性と子育て支援グループ・pokkapoka 代表)

更新:2016-06-03

母乳をあげてもよく赤ちゃんが泣く
あげてもあげても欲しがる
おっぱいが張らない
抱っこから降ろすとすぐに目をさます
母乳を搾っても出ない
授乳をした後ミルクをあげるとよく飲む
家族から足りないのではないかと言われる  など

このようなことがあると、私の母乳は足りているのではないかと不安になりますね。母乳は数字でどのくらい飲んだかわからないからなおさらです。

母乳で育っている2〜3か月ぐらいまでの赤ちゃんは、以下のような行動をします。

* しょっちゅう母乳を欲しがることが多いので欲しがったら欲しがるだけ授乳しても構いません。
* 母乳は消化されやすいため「腹持ち」せずすぐにお腹が空きます。
* 1回の授乳時間も授乳量もバラバラなので、飲む量や回数は赤ちゃんに任せて大丈夫です。
* 1回の授乳に30〜40分かかることもありますが、自分から離すまで飲ませてもかまいません。授乳に慣れたり成長によって短くなります。
* 生まれて1ヶ月を過ぎる頃から指や手を口に持っていき吸うようになりますが、正常な成長の過程で、必ずしも母乳が不足しているわけではありません。
* 生後2〜3週頃、6週頃、3か月頃に、何度も何度も欲しがる時期があります。これは急成長期といって要求に合わせて授乳することにより母乳の量が増えてきます。
* 生後数週を過ぎると、便を溜めて数日に1回しかしなくなる赤ちゃんもいますが、これは便秘でも母乳が不足しているわけではありません。
* お母さんのおっぱいは産後数週を過ぎると張らなくなることも多いです。これは母乳不足ではなく赤ちゃんの飲む量と母乳の作られる量のバランスがとれてくる時期になります。

よく、「泣いたら母乳を与えましょう」といわれますが、泣くのは赤ちゃんの最終手段の合図です。赤ちゃんが母乳を飲みたがっている早めのサインに気づいて飲ませることが大切です。

早めのサインには以下のようなものです。
* 吸うように口を動かす
* 吸うときのような音を立てる
* 手を口に持っていく
* 舌を出す
* 体をもぞもぞと動かす
* クーとかハーなど柔らかい声を出す

早めのサインに気づいてお母さんも赤ちゃんも焦らず落ち着いて母乳を飲ませることができればさらに十分な母乳が分泌され、赤ちゃんも満足するでしょう。
3か月を過ぎてくると、赤ちゃんは周りに興味を持つようになり、授乳以外でも楽しんだり気を取られたりして集中して母乳を飲まなくなってきます。

赤ちゃんがハツラツとして、体重が順調に増えていれば、母乳が足りていないということはありません。
本当に母乳不足かも・・・と思われる時は、地域の助産院や助産師、病院の母乳外来などに相談してください。

 

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