「妊娠中から知っておきたい産後うつ病について」

一般社団法人 大阪府助産師会(一般社団法人 大阪府助産師会理事)

更新:2016-05-16

産後のメンタル面での落ち込みについては、マタニティーブルーと産後うつ病がよく知られています。
マタニティーブルーは、産後数日から2週間ぐらいの間に現れる、気持ちが不安定になったり涙もろくなったりする一過性のものですが、産後うつ病は、出産してから2~3週間後から症状が出てくることが多く、期間は1か月ぐらいから長くて2年近く続くこともある病気です。
原因は、出産によるホルモンバランスの急激な変化や、生活の大きな変化によるストレスなどがあります。

主な症状は

①慢性的な疲労感 ②不安感 ③イライラ ④食欲低下・過食 ⑤気分の落ち込み ⑥睡眠不足 ⑦集中力・判断力・記憶力の低下 ⑧罪悪感 などです。

食事のメニューが考えられない、物事の優先順位を決められない、服装など身の回りのことにかまわなくなる、朝まで眠れない、わが子をかわいいと思えないなどの具体的な行動として現れます。
対処法としては、妊娠中から赤ちゃんが生まれたらどのように生活するかを考えて準備しておくことが大切です。たとえば産後お手伝いに来てもらうにはどうするか、里帰りして実家でしばらく過ごすかなど・・
出産したら、とにかくガンバリ過ぎないこと。何ごとも完璧にしようと思わず、まわりの人に助けを求めましょう。
パートナーや親、きょうだい、まわりの人と話してお願いしておいたり、情報交換できるようなママ友を作っておき、「しんどい」「助けて」を言える関係、おしゃべりを通してストレスを解消できるような関係を築いておくことが大切です。
子どもを預けられるなら、一時的に子どもと離れて気分転換してみてもかまいません。
お住いの市町村でも子育てやお母さんの体調の相談にも応じてくれています。ホームページや広報誌で探してみましょう。地域の助産師や行政の保健師も相談に乗ってくれます。
もし、どうしても症状が改善されない場合は、心療内科などを受診しましょう。気兼ねなく相談できる産婦人科や内科の先生に相談して紹介してもらってもいいでしょう。
回復には時間を要することもありますから、家族の協力を得て気長に治療していきましょう。
 

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