「わかりやすく伝える」

徳谷 章子(NPO法人ハートフレンド 代表理事)

更新:2016-05-16

「ちょっとした子育てのコツ」を紹介していきたいと思います。  

私たちは、小学生や中学生対象の活動もたくさんしています。学習支援「てらこや」には、学校帰りの子どもたちが元気よく来ます。「ただいま!」「お帰り!」賑やかに学習が始まります。でもなかなか着席しません。特に低学年は、椅子に座ってもごそごそ・・バタバタ・・すかさず、指導員からは、「早くちゃんとすわりなさい!」と声が飛びます。でも横向きに座る子ども、足をばたつかせる子ども・・「何度いったらわからの?ちゃんとすわりって言ってるでしょ!」指導員の声がだんだん大きくなります。「もう、いつまで遊んでるの?ちゃんとしなさい!」 とうとう声を荒げてしまします。教室は、いやな雰囲気になってしまいます。

大人は、以外に「ちゃんとしなさい」というフレーズを使ってしまいます。皆さんは、いかがですか?私は、ペアレント・トレーニングのプログラムを学ぶまで、ずっと「ちゃんとしなさい」を使ってしまっていました。もちろん、自分の子育てにも使っていました。子どもに通じていると信じていたからです。

でも、ペアレント・トレーニングで「具体的に伝えよう」ということを学びました。 また、子どもの視野は、大人より狭いことも知ったのです。私は、子ども達に、1メートル・・いいえ、2メートルぐらい離れたままで、話しかけていました。

今は、とにかく、子どもの視野に入る(近づきすぎず)。そして、穏やかに言います。「座ろうね」どんな体制でも座ると「偉い!すぐに座れたね。」と誉める。次に、「背中を背もたれにつけてみようか。」できたら誉める。「足は前に、手は膝に置こうね」

そしてできたら「すごいね!綺麗な姿勢で座れたね。」と誉めます。一つできたら必ず「誉める」。このようにしてから、子ども達は笑顔で学習を始めるようになりました。やる気もでます。大人でも目を見てしっかりと誉められると嬉しいですね。

「ちゃんと」と言う言葉を具体的なスモールステップに変えて、視野に入って伝える。

皆さん、一度、試してみてくださいね。

 

執筆者

  • 徳谷 章子
  • NPO法人ハートフレンド 代表理事
  • 昭和30年生まれ。京都教育大学卒業後、中学校に勤務。結婚・出産を機に退職。平成13年から桑津子ども会連合会の会長を務める。子ども達のあそび場を創りたくて、平成15年、子ども会の母親15名と任意団体「ハートフレンド」を発足する。文部科学省の「地域子ども教室」を運営を経て、平成18年にNPOになる。地域子育て支援拠点を4か所と児童ディサービス・ハートフレンドを運営。高齢者対象の「おとなのてらこや」事業や遊びを通じて、世代間交流の推進にも力を入れる。出産から高齢者までの共生福祉のまちづくりを目指す。社会福祉士
  • ふぁみなび:NPO法人 ハートフレンド紹介ページ